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商標審査基準から

源気と元気について(商標非類似の例)

出願商標「源気」が先願登録「元気」に類似するとした拒絶査定が、審決取消訴訟により類似しない商標であるとされた。

要点
  • 1
    両商標の外観、称呼及び観念を総合して全体的に観察した場合、両者の外観において、一見して異なる語であることが認識され。
  • 2
    観念も明らかに相違している。
  • 3
    称呼において同一であっても、わずか2文字であって一見して把握しやすいものであるところ、外観及び観念において全く非類似であるといい得る場合、取引者・需要者は、両者について、異なった印象を抱き、それが記憶されるのが通常であり、本件商標「源気」と引用商標「元気」とを誤解する者はいないとみるのが自然である。
  • 4
    健康食品は、一般消費者にとって、自己の健康にかかわる重要なものであるから、その商標が当該商品を示すものとして周知となっているなどといった特段の事情の認められない限り、現物を手にとって慎重に選ぶのが通常であり、単に称呼のみで購入することはまれである。

商標登録出願にあたっては、出願対象の商標の使用をする意思のある指定商品・役務を指定する必要があります。

指定商品・役務が多すぎる(広すぎる場合)には、使用意思の確認がされます。

その場合の、基準は特許庁の審査基準に示されています。

ご確認ください。

無効理由のある先願登録商標の引用について

平成19年7月19日 知財高平成19年(行ケ)第10051号

商標権侵害訴訟に関しては、特許法104条の3が準用されて、「無効審判手続きにおける無効審決の確定を待たずして商標登録の無効性を判断できる。しかし特許法104条の3は、拒絶査定不成立審決の取消訴訟には適用されない」と判断された。

審決取消訴訟から一例紹介「海」≠「快」

審決取消訴訟から一例紹介「知財高裁平成19年(行ケ)第10090号」
「海」≠「快」とされた例を紹介します。

同一・類似点
  • 指定商品:第5類「薬剤など」
  • 称呼:「カイ」という称呼が発生する。
非類似点
  • 観念:「海」は「海」の観念を生じ、「快」は「こころよい」の観念を生じ、観念は明らかに異なる。
  • 商品販売の実情:「薬剤」において称呼のみで取引される実情があるとも認められない。

結論:商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはない。
4条1項11号には該当せず、非類似である。
現代の一般人の社会通念に照らして、納得できる結論だと思います。

「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」

「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は、商標法第4条第1項第7号に該当して、商標登録を受けることができません。

具体例を挙げた方がイメージしやすいので、具体例を挙げます。

  • 外国の王家の有名な紋章、各国のシンボルマーク等
  • 差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字、図形等
     
  • 国家資格等を表す又は国家資格等と誤認を生ずるおそれのある商標「××士」「××博士」
  • 指定暴力団が自己を示すために用いている標章(代紋等)と同一又は類似の商標に係る商標登録出願
     
  • 歴史上の人物名(周知・著名な故人の人物名)からなる商標登録出願

他の拒絶理由が該当する案件をも対象にしようとするものではありません。

他人の肖像や氏名は商標登録できるか

他人の肖像や氏名は商標登録することはできません(商標法4条1項8号)。

「他人」とは現存する人をいいます。
有名な故人は、4条1項7号で登録が認められません。

法人の場合は、○○株式会社などをいいますが、「株式会社」等の表示をのぞいても、一見して特定法人の名称と判別される場合は、4条1項8号に該当し、登録が認められません。

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高木将晴

代表弁理士
特定侵害訴訟代理人
第三種電気主任技術者(試験取得)

東海高校卒業
立命館大学電気電子工学科卒業立命館大学院理工学研究科電子システムコース卒業
H24 知財テラス特許事務所入所H25 弁理士登録
H27 日本弁理士会東海支部 総務委員会
R7 知財テラス特許事務所代表弁理士
R7.12 事務所名を高木将晴特許事務所に変更